「夜勤が終わると、なぜかコンビニでハイカロリーなパンやスイーツをドカ買いしてしまう…」
「別にイライラしたくないのに、夜勤明けは家族やパートナーに当たってしまう…」
看護師として働いていると、一度はこんな経験をしたことがあるのではないでしょうか。
「自分の意志が弱いからだ」「看護師なのに自己管理ができていない」と自分を責めてしまうかもしれません。
しかし、結論から言うとこれはあなたの意志の強さとは一切関係ありません。
夜勤という変則的な環境によって、あなたの体内では**「ホルモンと脳の物理的な暴走」**が起きているだけなのです。
今回は、夜勤明けのドカ食いやイライラのメカニズムを病態生理学の視点から解明し、自分を責めずに済む具体的なセルフケア方法をお伝えします。
1. なぜ夜勤明けは「ドカ食い」したくなるのか?(グレリンとレプチンの乱れ)
夜勤による睡眠不足や体内時計のズレは、食欲をコントロールする2つのホルモンバランスを崩します。
食欲増進ホルモン「グレリン」の増加:睡眠時間が削られると、脳から「お腹が空いた!」と指令を出すグレリンの分泌が急増します。
満腹ホルモン「レプチン」の減少:反対に、満腹感を感じさせるレプチンの分泌は低下します。
つまり夜勤明けの体は、**物理的に「高カロリーなものを欲しがり、食べても満腹感を感じにくい状態」**に仕上がっているのです。
2. なぜイライラを抑えられないのか?(前頭葉の機能低下)
脳の前頭葉は、感情や衝動をコントロールする「理性ブレーキ」の役割を果たしています。
しかし夜勤による脳疲労と低血糖が重なると、この前頭葉の機能が一時的に低下します。
ブレーキが効かなくなった脳にストレスホルモン(コルチゾール)が分泌されることで、感情のコントロールが効かなくなり、突発的なイライラとして表面化してしまいます。
3. 自分を守る!病態生理に基づいた3つのセルフケア
メカニズムが分かれば、根性論ではなく物理的なアプローチで対策ができます。
夜勤中の「微・糖質補給」で血糖値スパイクを防ぐ
休憩中にドカンと食べるのではなく、小分けにして低GIのおにぎりやナッツ、無糖のホットミルクなどを口にし、激しい血糖値の乱高下を防ぐ。
夜勤明けの買い出しは「空腹時を避ける」または「事前に買うものを決めておく」
グレリンが暴走している状態でコンビニに入ると、脳は高脂質・高糖質なものを自動選択します。勤務前や事前に買うものを固定化しておくのが効果的です。
「これは脳疲労のせい」と割り切って自分を褒める
ドカ食いしてしまっても「今、私のグレリンが暴れてるな」「前頭葉がお休み中だな」と病態に置き換えて捉え、過度な罪悪感を持たないことが大切です。
おわりに:病態生理を知れば、もっと自分に優しくなれる
看護師は日々、患者さんの病態生理をアセスメントして適切な看護を提供しています。
しかし、一番大切にすべき**「自分自身の体の病態生理」**には、ついつい無頓着になってしまいがちです。
夜勤という過酷な現場で戦うあなたの体は、それだけで十分に頑張っています。
この「病態生理で自分を守る」シリーズでは、これからも看護師のリアルな悩みを医学的な根拠に基づいて紐解き、読んでいるあなたにとっても現場で長く自分らしく働き続けるための役立つ知恵を発信していきます!
自分の体を一番の味方にして、一緒に無理のないセルフケアを始めていきましょう。
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